動物介護資格は、老犬・老猫といったシニア期の動物に関する基礎知識をはじめ、介護や病気など専門的な知識を有していることを認定する資格です。人間と同じく動物も、加齢や病気などの理由で、介護ケアが必要になります。
ペットの高齢化社会に伴い、動物介護資格が注目されています。
動物介護資格で学べること
動物介護資格では、様々なペットの介護に必要が知識を学んでいきます。
老犬・老猫には介護が必要
犬や猫をはじめとするペットを飼う方が増加し、動物医療やフードの品質も向上しています。
その結果、ペットの寿命も年々伸びており、なかには認知症になる犬や猫も出てきました。
日本には動物愛護管理法という、動物の虐待等の防止について定めた法律があります。平成25年の改正法では、「飼い主がペットを最後まで看取る責務」が新たに盛り込まれました。
こうした社会背景もあり、高齢化するペットの介護の必要性が急速に高まっています。
高齢犬猫への食事や生活のサポート
では高齢となった犬や猫には、どのようなサポートが必要でしょうか?
ここでは食事面と生活面に分けて説明します。
食事のサポート
食べるときの姿勢
高齢化した犬や猫は、飲み込む力が弱くなっています。
この時大切なのは、食べる時の姿勢です。食べたものが胃に正しく送られるように、食器を台の上に置いて頭の位置を高くすると、飲み込みがスムーズになります。
柔らかく消化の良い食事
高齢化が進むと活動量が減り、消化機能が衰え、噛む力・消化する力も弱くなります。
年齢とともにフードの好みも変わり、体調が悪い時もあるでしょう。ドライフードはぬるま湯でふやかすと食べやすくなり、消化も良くなります。
高タンパク・低脂肪・低カロリーにも配慮が必要です。
水分を摂らせる
高齢化した犬や猫の健康維持には水分補給が重要です。
水を飲んでくれないとき、原因は何なのか、健康状態に問題があるのかと心配になりますが、のどの乾きが感じにくいことが原因のひとつにあります。
水から白湯に変え口当たりをまろやかにする、動物用ミルクや犬用経口補水液(イオンウォーター)などで味を変え、積極的に水分補給させましょう。
生活のサポート
高齢化して衰えてきた犬には、サポートが必要です。
目が見えなくなる
なるべく段差をなくし、部屋をバリアフリー化しましょう。
ケガの原因になる物は床に置かず、家具の角にはぶつかっても痛くないようクッション材を貼り付け、安全を確保します。
トイレの失敗
トイレのスペースを広げます。排尿、排便のタイミングをある程度把握しておき、誘導することも大切です。
足が弱る
高齢化が進むと脚力が落ち、歩けなくなるケースがあります。
特に犬は散歩が好きで、常に自分の足で立ちたいと思っています。無理のない範囲で、ハーネスで補助する、カートに乗せるなどして散歩をさせてあげましょう。
寝たきりの場合の対処法も
寝たきりになると、飼い主の負担はさらに増えます。ここでは特に気を付けたいポイントをご紹介します。
床ずれ予防
寝たきり状態になると床ずれができます。
床ずれはあっという間に進行し、また一度重症化すると完治には時間がかかり、再発しやすいといわれています。
まずは床ずれにならないよう予防が大事です。
- 皮膚の状態を観察する習慣をつける
- 低反発素材のマットや、床ずれ防止用のクッション使う
- 2~3時間おきに体位変換をする
清潔
体力が衰えている動物に全身浴は負担が大きいため、部分浴をメインに行うことで、洗う時間と乾かす時間を短縮できます。
また低刺激性の水なしシャンプーの使用もオススメです。すすぎをしなくていいので、体を冷やす心配がありません。
ペットの高齢化はますます進み、今後の活躍に期待ができる資格です。動物介護資格に興味のある方は、ぜひ取得してはいかがでしょうか?
動物介護資格でおすすめの資格
動物介護資格としては、次の2つの資格がおすすめです。それぞれの資格の特徴について説明します。
犬猫介護アドバイザー資格
犬猫介護アドバイザー資格は、犬と猫の介護に関する専門的知識を学びます。
例えば、犬の種類や大きさ、小型犬か大型犬か、猫の種類や性格の違いなどによって介護の方法は違い、飼い主の心のケアも担います。
具体的な学習内容
- 介護が必要になった動物の生活環境の整え方
- 流動食の与え方
- 寝たきりになった場合の注意点や手入れ方法
- 排泄について
資格取得後は、犬猫介護アドバイザーとして自宅や専門施設で老犬、老猫の介護士として活躍できます。
ペット介護インストラクター
ペット介護インストラクター資格は、ペットの適切な介護を行うことによって、老犬や老猫、病気によって介護が必要になったペットのQOLの向上の手助けをします。
具体的な学習内容
- 犬や猫の基本的な介護方法
- 聴力低下や視力低下への対処方法
- 適切な食事の与え方
ペット介護インストラクター資格は、取得後はペット介護インストラクターとして活躍できるようになり、自宅やカルチャースクールで講師活動の際の信頼性アップに貢献します。