アスリート栄養食インストラクター資格は、競技性の違いや健康維持などの様々な要素からなるスポーツ選手の栄養と食事について知識を有していることを証明する資格です。
スポーツ競技に関わる仕事や趣味を持つ人や日常生活で健康の向上のために資格を取得して役立てている人が数多くいます。
今回はそんなアスリート栄養食インストラクター資格について紹介していきます。
競技ごとに合わせた献立と栄養管理
アスリート栄養食インストラクター資格では栄養素の摂取に必要な「食事」を中心に「トレーニング」や「休憩」との関わりも学んでいきます。
一口にスポーツ選手の栄養素といっても、個人の性別・体格・年齢やスポーツの競技、トレーニングの種類など様々な要素が詰まっています。
それでは、アスリート栄養食インストラクター資格の考え方や知識が役立つ場面を見ていきましょう。
目的や状態ごとにメニューを変えられる
スポーツ選手に必要な栄養素を考える時、競技によって日々の献立は変わるものです。
競技ごとにつけるべき体力・筋力の違い
サッカーと野球で比べてみると、サッカーは動き続ける場面が多いですが、野球は進塁する時以外は大きく動きません。
その反面サッカーは、キーパー以外は足だけを使いますが、野球の投球は手足を含めた動きが必要になります。
同じ球技でもサッカーはスタミナが野球よりも必要であり、野球はサッカーでは使わない腕の筋肉が必要になります。
もちろん、どちらの競技でもスタミナをつけつつ全身を鍛えていくものですが、重点的に必要な体力や筋力は異なるものなのです。
重点的に必要でない部分のエネルギーは、他の部分に回した方が効率よく身体づくりができることになり、競技ごとに活躍できる可能性が高ります。
メンテナンス期に必要な栄養素
また、スポーツ選手は健康状態や体の傷みなどから一旦競技を休まなければならない時もあります(メンテナンス期と言います)。
その時期も完全にトレーニングを止めるわけではありませんが、それでも通常の時よりは控えめな運動や筋トレになります。
そうなると、食事の方も同じままではいかず、カロリーを抑えつつ、筋肉量を減らさないような献立を考える必要があります。
アスリート栄養食インストラクター資格では、上記のような競技の目的や健康状態に合わせた献立を考えられる基礎が身に付きます。
臨機応変に食事の献立を変えられることが、スポーツ選手のパフォーマンス力を落とさない手助けになるのです。
不足している栄養とトレーニング効果
栄養素は競技をする際に発揮するためのエネルギーになるだけではなく、普段のトレーニングにも重要な項目です。
それでは、栄養素とトレーニングの効果は具体的にどんな関係があるのでしょうか。
トレーニング前後で変わる栄養摂取
トレーニング前に必要となるのは身体を動かすためのエネルギーです。
直接的にエネルギーとなるのは炭水化物や脂質などですが、これらの吸収が早ければ、それだけトレーニング時に動ける時間も変わってきます。
そして、エネルギーの変換はビタミンB1やB2などビタミンB群によって行われるものです。
つまり、トレーニング前はビタミンB群を多めに摂取できる献立が求められることになります。
一方、トレーニング後は体力の消耗や筋肉が疲労しており、特に筋肉については筋肉が傷ついた状態になっています。
そのため、トレーニング後は体力と筋肉の回復のために必要な糖質やタンパク質を多く摂取できる献立求められます。
タンパク質は筋肉の回復させた上で、筋肉量を増やす効果もあるので、増量が必要な選手は重視すべき項目です。
プロテインやサプリメントも合わせた栄養管理を
アスリート栄養食インストラクター資格ではトレーニングを効率的にするために、トレーニング前後で摂取すべき栄養素やその献立なども学べるようになっています。
また、タンパク質をそのまま摂取できるプロテインや必要な栄養素を補えるサプリメントについても正しい知識と利用法も知識として身に付きます。
選手の体型や体調など個人の状態によっては、普通の食事だけでは足りない栄養素も出てくるので、栄養補助食品も合わせて、競技やトレーニングに最適な環境を作っていきます。
選手の成長に陰ながら貢献できる
アスリート栄養食インストラクター資格を取得した後に役立つのは、名前の通りアスリートのインストラクターやジムの店員、部活動の顧問など多岐に渡ります。
それらに共通するのはメインで活躍するのではなく、選手を陰ながらサポートする立場ということです。
サポートする立場としてのやりがい
食事はどんな選手でもパフォーマンスのために必要な行為で、栄養管理がしっかりできることが望ましいものです。
そんな管理の部分を他者のサポートに委ねることは、サポートする立場の人を信頼している証拠になります。
そして、サポートする側も栄養管理をしてきた選手が、競技で結果を残したり、記録を更新できたりすれば、自分のことのように喜ばしいものです。
アスリート栄養食インストラクター資格を取得後にサポートする立場になった人は、そんなところにやりがいを感じています。